高津川を上るX
2004.1.31 六日市町(七日市)〜水源(一本杉)
 真冬とは思えない晴天。こんな日はやはり、サイクリング。ということで、『高津川を上るX』を行うことにした。いよいよ水源のある六日市である。8年前まで、この町に住んでいたので、とても懐かしい。当時とどこが、どう変わっているか?というのも今回の楽しみでもある。
 さて、朝10時前に益田を出発して、11時ごろ前回の到着地六日市学園の駐車場に着いた。益田はもう雪
六日市学園をスタート
六日市学園をスタート
一面の雪
雪の中を行く

夏は蛍がいっぱいの橋

水量もまだかなりある
は全然残っていないが、六日市はまだ雪がある。真砂といい勝負か六日市がちょっと多いか?という感じ。
 さて、太陽の光に照らされたまぶしい雪を見ながらのスタート。まず、七日市の直線道路。ここは1000メートルもまっすぐな道が続く。直線が終わるあたりに脇にそれる道があり、そこに小さな橋がかかっている。ここは夏の夜には蛍が乱舞するところで、六日市に住んでいたころに何度か見に来たことがあった場所。そこを過ぎ、最初の町に入る。ここは六日市町なのに、七日市というところで、住所は六日市町七日市という何かややこしいところなのだ。この町には吉賀高校、吉賀中学、七日市小学校と3つの学校が同じ(正確には隣接した)敷地内にある。
 七日市の町を過ぎ、187号線を行けば峠を越えすぐに六日市に入るが、『高津川を上る』なので、川に沿って行くことにする。ここは朝倉という場所だ。実を言うと、以前この地区に住んでいたのである。う〜ん懐かしい。未舗装の土手の道を選び進む。まだ、雪が残っていて、どろどろになりながら行く。MTBのいいところは、少々ぬかるんでいようが、がたがた道であろうが、ずんずん進むところだろう。ロードバイクではこうはいかない。しかし、私の自転車はMTBとは行ってもタイヤが太めのスリックなので、やや心もとない。それでも雪が残っている土手を行った。

七日市

土手を走る

朝倉小学校
 朝倉小学校が見えて来た。長男が生まれてすぐのころ、この学校までがつれあいの散歩コースだった。さて、いよいよ以前住んでいた教員住宅に行ってみることにした。いったいどうなっているのか?住んでいたころから随分古い住宅だったので、今はあるかどうかも分からない。

 懐かしい〜

 更地に・・・

好きだった栗林

ここからの眺めもお気に入りだった
・・・あった。しかし、人が住まなくなって随分たったようで、障子が破れていたり、壁の板がはがれかけていたりと、だいぶ傷んでいた。それでも、とても懐かしい。奥に町営の住宅と隣にKさんという気のいいおばちゃんが住んでいた家があったが、その二つとも取り壊されて今は更地になっていた。Kさんはどうしておられるかなあと心配になった。この住宅の裏に栗林があり、息子とよく遊んでいた。そこに行ってみると、そこは以前と同じ表情をしていた。ただ、多少栗の木の数が減っているような気がした。ここから住宅の方を見る眺めが理由は分からないが好きだったのを思い出した。
 住宅を後にして先へ進む。六日市に住んでいたころには一度も通ったことがない土手を進む。朝倉を過ぎ、六日市の立戸というところに出る。ここはもう六日市小学校の校区。ここは、やや遠いため、当時はバス通だった。
 今からだいぶ前になるが『特報大国?』(正確には覚えていないので違うかも)というテレビ番組でも紹介された、缶ジュースを自分で開けて飲めるというめずらしい熊がいたドライブイン「山水苑」が見えてくるはずなのだが・・・実は、ここは少し前に火事になり今はもう取り壊されていた。火事があったことを物語るように熱のために半分枯れた木が残っていた。

 ドライブインが・・

半分枯れた木

 せせらぎ
独身のころ、ここのドライブインはよく利用した。あのころはラーメンとカレーという今では考えられない合わせ技食べていたなあ・・・。
 そのドライブインの横に橋がかかっていて、この橋のたもとあたりが、ちょうどいいせせらぎになっていて、息子を連れて水遊びに来ていた。どこを見ても懐かしい思い出がよみがえってくるぞ〜。
 立戸を過ぎると広石というところ。ここの道沿いの桜はとても綺麗だ。六日市小に赴任するとき4月3日だったが、前日に季節外れの雪が降り、桜の花も咲きかけていて、いっぺんに雪と桜の両方を見ることができたのを思い出す。国道のすぐ横を高津川が流れていて、そこに目をやると、赤い色の何かの葉っぱが浮いていて(こういう時何かぱっと分かるといいけど・・・勉強不足)、緑と赤の色合いがとても綺麗な箇所があったので、思わずパチリ。

綺麗だ〜

きれいだー

美しい〜

六日市に入る交差点

 
懐かしい六日市小

鳥小屋が・・

役場付近

オフロード
 沢田の大杉も見たいと思ったが、雪道でもあるし、今回はパスすることにして、国道を素直に進む。六日市の町に入る交差点が見えて来た。六日市小時代は、ここで交通安全週間などには街頭指導をしていた。
 ということで、六日市小学校に行ってみる。おお懐かしい〜(今日いったい何度目?)坂の上にある小学校ということで、なんとも趣きのある入口付近。図工の版画で鶏を描いたが、そのときH君がせっせとオープンスペースにまで持ってきてくれた鶏、その小屋があったはずだが、きれにになくなっていた。
 小学校の校舎自体は変わっていないが、道を挟んですぐ横に食道のような大きな建物が立っていた。その横を通ってみると、プールもできていた。そして以前プールがあった場所には消防署ができていた。8年たつといろいろなところが変わっている。
 残念ながら、高津川の流れの中で、一番汚れているのは六日市の町中だと思う。(広石にくると、また綺麗になる)今日は冬でもあり、雪が残っているので、それほどでもなかったが、当時ここに住んでいたころ、高津川にしては汚れているなあと感じたのも正直なところ。水量は下流ほど多くはないので、生活廃水などが流れ込んでその濃度はかなり高いからであろう。下水施設や、浄化槽の設置などが進むと、町中でも綺麗な流れが戻ってくるだろうと思う。昨年テレビで栃木県の田川のことをやっていたが、益田や六日市なんかよりもよほど都会でもその町の中心を流れている田川はとても綺麗になり、今では鮎も戻ってきているというのをやっていたが、ここの流れもそうなることを願う。
 川沿いの土手を進む。最初はちゃんとした土手だったのであるが、いつの間にか草ぼうぼうの荒れ放題の土手になっていた。そして、ところどころ陥没している。こんな場所を自転車で行くのは初めてである。しかし、MTBということで、遊び心がふつふつと・・・行け!って感じでずんずん進んでいった。MTBで山のコースを走ったりするのは、こんな感じになるのかな?と思った。この土手は冬の今だからそれでも走れたと思うが、夏ならば、それこそ、青々と雑草が茂って通れなかっただろう。大変だったが、オフロードの楽しさをちょっとだけ味わったような気がした。

狭くなった川

雪道を行く

三宮神社
 随分水量も少なくなってきた。このあたりの川は幅も狭くなり、くねくねとしてくる。そして、道はまっすぐに通っているので、土手沿いを行くのであるが、日影にはまだ雪が残っており、ところによってはカチカチに凍っている場所もあった。そこをこいでいくのであるが、雪の中を進むというのは普通のところに比べ漕ぐときの力がいるし、バランスをとるのが大変だ。途中1回こけてしまった。
三宮神社が見えて来た。ここは、六日市小に来た年、スケッチ大会で訪れたところでよく覚えている。今、その時の子どもたちは24歳ぐらいになっている。時のたつのは・・・・。
 少し川沿いの道を自転車でいけないところになったので、川から離れて進む。そして再び川と出会うところに出た。・・・・・???川に水がないではないか!よ〜くみると・・・やっぱりない。さっきまで水量は少なかったことは少なかったが水は確かにあったのに、である。こうなると、探究心がふつふつと・・・・当然どこから水が出ているのかを調べたくなる。そこで、むかい側に行き、下流に向けて自転車で行ってみることにする。しかし、少し行くと道もなくなった。ここであきらめては追求形態の授業を目指している私として納得がい

水が無い

川底へ

川底を歩く

 川底を歩くU

水が・・・

 へぇ〜へぇ〜 

鶏が・・

 
ヤギが・・
かない。当然川に下りて徒歩でその先を下ってみた。水の無い川の底を歩くというのも初めてだ。なんとなくわくわくしてくる。はたして、どこから水が出ているのか?
 少し行くと水が見えて来た。支流から流れ込んでいるかのように、突然そこから水が流れる普通の川になっていた。でも、行ってみると支流はない。ただ、突然そこの部分から水があるのである。伏流水がここから湧いて出ているのであろう。う〜んそれにしても不思議。
 再び歩いて自転車のところまで行き、先へ進む。途中川のない川に放し飼いをされている鶏やヤギがいた。のどかな風景である。

ドメニカーナ

 高いけどうまい

かわいいピザ屋

 お昼時なので、お腹も空いてきた。実はコンビにでおにぎりを買って来ていたので、どこか外で食べればよかったのだが、ちょうどそんなときとてもかわいいピザ屋が見えて来た。ドメニカーナというお店だった。レンガ造りの煙突の感じもよく、気がついたら入ってしまっていた。部屋の中も暖炉があり、とてもいい感じだった。しかし、メニューを見てびっくり。ピザが1枚1800円なのだ。う〜ん昼飯にしては高い・・・と迷ったが男39歳、高いからといって、やっぱり出ますというわけにも行かず注文した。出てきたピザはさすがにうまかった。しぶいマスターに水が無い川のことを聞いてみた。そうすると、いつもは水がないが、雨が降ったときには水が流れるということだった。マスターも自転車を見てどこから来たのかをたずねてきた。益田から高津川を上っていることを言うと、「いいねえ。」と一言。このログハウスも手作りということで、気が合うかもと思った。
 先へ進む。蔵木中、蔵木小が見えて来た。その手前に流れる支流にも水はない。私が六日市小のころ、今寺子屋で一緒に活動をしているのぶゆき氏としぶちゃんは蔵木小で、一緒に勉強サークル「どすこい」をやっていた。お互いいいライバルって感じで実践を持ち寄っていたのだ。のころのぶゆき氏は蔵木に家を建てたいと言っていたような・・・。

水がない

蔵木小学校

カタクリの里
 蔵木小学校の先に『カタクリの里』へ行く標識がある。かたくりが斜面にびっしり咲く場所があり、そこのことを『カタクリの里』と言っているのだ。ここにも思い出があって、六日市最初の年、子どもたちとともに「かたくりの花」という表現に取り組んだ。その表現を同和教育研究発表大会のとき参観者の方に見ていただいたことがある。その子どもたちと一緒にここ『カタクリの里』に来て実際のかたくりの花を見せてもらった。また、ここの管理人の方にお礼に表現はできなかったが、表現のビデオと、表現の中の合唱を聴いてもらったということがあった。これも懐かしい思い出である。今回はかたくりの花のシーズンではないので、よらずに進んだ。
 水源公園までの標識も出てきた。いよいよゴール地点が目前にせまってきた。気温もだいぶ上がっているのであるが、日陰はまだ、道路がつるつるしていた。水源公園前の道路も日陰にあり、まだ凍っていた。

到着

本日のベストシーン

解説

水源


綺麗な水
 水源のシンボルである。大きな杉の木。一本杉と呼ばれて親しまれている。いよいよ到着だ。水源会館があるけれど、冬季の間は休館ということで、おとづれる人もいないのだろう。まだ一面雪に覆われていて、雪が降ってからはほとんど人が入っていない感じだ。そこへ一歩一歩入っていった。一本杉の下の部分が水源と言われている箇所で、水がこんこんと沸いている。今日は凍っているのか、湧いているという雰囲気はわからなかった。それでも水源にふさわしいなにか厳かさがただよっていた。本日のベストシーンである。
 『高津川を上る』なので、ここで終了してもいいのであるが、ここまで来たからにはついでに高津川と河川争奪をした錦川の上流、深谷川にかかる深谷大橋まで行くことにした。水源公園から3.5キロほど離れている。ここも思い出の場所である。
 六日市小からは約11キロも離れているが毎年5年生が遠足に来ていた。橋の下まで80メートルぐらいあるのであるが、遠足に来たときはいつも下まで下りて水遊びをしていた。子どもは11キロ歩いた後でも本当に元気で、5月だったのだが、全身ずぶぬれになる子が続出だった。ちゃんと水着まで準備してくる子もいたが、中には何も準備しておらずに水びたしになってしまい、帰りはジャージの下はノーパンという子もいた。(女の子も)私も足を水につけてみたが10秒もいるともうジンジンするぐらいの冷たさだった、それなのに、子どもたちは「こけた〜」と言って泳いでいるのである。今はそういう子はいないのかもしれないが、当時の子どもたちは本当にたくましかったように思う。

深谷大橋

名前どおり・・


絵になる橋

解説

雪の残る里
 その思い出の深谷大橋まで行ってみた。ここは当時と全然変わっていない。雪が積もっていたのでさすがに下まで下りることはしなかったが、橋の上から下を見た。目がくらむほどの高さである。橋から水面まで約80メートル。
 ここで、つれあいとの約束の時間にはどうも帰れそうにないことに気がついた。恐る恐る携帯を見た。ここは当然圏外だろうと思っていたのだが、何とアンテナが3本立っていた。ばりばりの圏内だった。真砂は圏外なのに、人が住んでいな深谷はなぜ圏内なの?と思ったが助かった。つれあいに遅くなることを連絡することができた。ほっと一息。
 あとは、帰るだけだ。一面雪が覆っている蔵木地区を横目にスタート地点を目指す。
 しかし、途中気になっているところがあったので、寄り道をすることにした。それは、水源公園からは川が流れていて水があるのだ。この水はいつ、どこで、水が無くなり、水無川になるのかという疑問を解決したくなったのだ。そこで、雪がつもっている土手を進むことにした。これが思いのほか困難だった。ある程度の雪だとなんとかなるのであるが、ちょっと深いともう進まない。

水がある

探検開始

まだある

怪しい

ここだ〜

こうして水無川に

ここで両足をつる

ゆららの前
よろよろしながらちょっとずつ進む。真冬だというのに大汗をかいた。蔵木小学校の前の本流には水量が少ないけれどもまだ水はあった。その先の工場のあたりでどうもなくなっているようだった。そこへ行くには再び深い雪の中を進む必要があった。体力的にちょっときついが、迷わず進む。途中よろっとした拍子になんと、両足の膝の内側の筋肉がつってしまった。自転車に乗っていて両足がいっぺんにつったのは今回が初めて。雪の中を進むのがいかに大変なことなのか、というのを実感した。
 それでも少し行くと水の切れ目を発見することができた。満足。満足。やはり工場の裏あたりで、水がなくなっていた。ここから、さきほどの突然水が出てくるところまでが水無川なのである。
 その後は土手を通らず大きな道を通った。ゆららの前で写真を撮った(行きは土手を通ったので)。
 六日市学園について、自転車を見てみたら今まで出最高に汚れていた。どろどろの道を通ったからだ。家に帰ってから水をかけて、綺麗にした。雑巾で水をふきとり、最後にギヤなどにオイルをスプレーして本日の『高津川を上るX』を終了した。
 河口から水源まで述べ5日をかけて自転車で上ってきた。多少汚れているところもあったが、ほとんど全てが清流でとても気持ちのよい川だった。
 結論『高津川は日本一の清流と言ってもいい、誇れる川である。』
 これで、『高津川を上る』は終了と思っていたが、次回からは支流シリーズをすることにした。「匹見川」と「津和野川」である。まずは「匹見川」から行ってみたいと思う。本流とは違う魅力があるはずである。今からとても楽しみである。
本日の走行距離 57.18km














『高津川を上る』