高津川を上る
福川川編U

椛谷〜小峰峠
2006.9.25
 23日にあった運動会の代休ということで、今日はお休み。いつもなら、『つぎはぎ日本一周』ということになるのだが、さすがに、10月1日に出雲ワンデイラン140に出場するので、そうそうは泊りがけの自転車イベントに出かけるわけにはいかない。ただ、そうは言っても、じっとしているのはもったいないので、日中の開いた時間に『高津川を上る』の続きをすることにした。
 『高津川を上る』は3月以来。前回は柿木〜椛谷まで行っていたので、今回はその続き。椛谷から水源までを目指すことにした。『高津川を上る』はマウンテンバイクを使うので、のんびりゆっくりと川を眺めながら進む。これも、また楽しい。
 椛谷には大きなダムがある。前回は階段を下りれるようになっていたのだが、今回は下りれないようにしてあった。残念。もう少しすると、この谷は綺麗な紅葉が楽しめる。眼下に見える橋からその紅葉を見たいなあと思っていたのだが・・・。 

    

 それにしても、ここまで上ってくると本当にどこを見ても美しい。絵になりすぎて、マウンテンバイクのトゥークリップに足を入れて進んだと思ったらすぐに、写真に撮りたい場所にやってくるといった感じで、なかなか前へ進まなかった。紅葉にはまだ早かったが、もう少しすると更に綺麗な景色が楽しめるところだと思う。水の透明度はすばらしく、飲めそうなぐらい。

    

 車もほとんど通らず、自然の音のみの世界。川のせせらぎ、鳥の声。う〜ん贅沢だ。県道3号線を上って行くのだが、それほど急なところはなく、気持ちよく進む。

   

 カヌーの野田知佑氏が著書の中で、川の淵にもぐって魚をつかむというような話があったが、このあたりの淵ももぐったらきっと面白いのだろうと思う。 でも、本当にもぐるとなると、淵というのはなぜだか恐ろしいような気がする。何か川の主でもいるような・・・。
 こうして、どっぷりと自然の中に一人でいると、自然の荘厳さというか、人間を受け付けないような大きさというものを感じる。普段はそんなことを感じないのだが、山の中を一人でいると人間の小っちゃさを思う。八百万の神を感じるとでも言おうか。
 この秋もちらほら熊の目撃情報が入ってくる。熊と出会ったのではたまったものではない。そんなことを考えたら、すぐそこに熊がいそうで、怖くなり大声で歌を歌ってマウンテンバイクを漕いでいった。肝試しの時に、子どもたちが大声で歌をうたいながら歩いているのに似ていて、なんとなく自分自身がおかしくなる。しかし、そんなことは言っておられない。本当に熊が出る可能性があるのだ。大声で歌い続けた。

   

 ところどころに朽ち果てたような建物があった。人間が作ったものはいつかはこうなる運命なのだが、その横に流れている川は、何十年、何百年、いや何千年と美しさを保って流れているのだと思うと、とても不思議に思えてくる。

  

 道ばたに何かが落ちていた。よく見ると栗だ。中身もぎっしりとつまっている。上を見上げると立派な栗の木があった。秋だ〜。

   

 だんだんと川の水量が減ってきてはいるが、まだ水源は先。地図で見ると、道路から少し離れた場所が水源のようだ。こんな奥に家畜を飼っている農家があった。その横の道は進入禁止になっていたので、しかたなく、川からそれて、上に上る道を進むことにした。途中、再び何かが道に見えた。よく見ると、なんとヘビ。真っ黒だったので、からすヘビ?か。からすヘビは奥歯に毒があるので、大回りして進もうとしたが、うねうねしていて、普通のヘビの状態ではなかったので、死んでいるのかな?と気になって立ち止まった。うねうね状態を写真にとって、小石を投げたら、普通のヘビの状態になり、するすると逃げていった。日向ぼっこでもしていたのか?

    

 上っていった道にも小川が見えてきた。いよいよ水源か?と思ったら、ここも立ち入り禁止の看板。どうも、この筋は立ち入り禁止が多い。水源を見られずにここで終了。残念。ここで、引き返すのもさびしいので、その先を進んだ。峠が近いのだ。山口県と島根県の県境、小峰峠に到着。新しい看板とふるい石の標識があった。

    

    

猿田原(右ケ谷川)
 3号線を下っていく途中に、支流である右ケ谷川が流れているので、まだ、時間も余裕があったので、この水源を目指すことにして上って行った。この川もいい雰囲気だ。ますます熊が出そう。
 少し行くと、開けていて右ケ谷キャンプ場という看板が見えてきた。管理人の方が不在だったのだが、あまりにいい雰囲気のキャンプ場だったので、ちょっと見せてもらった。(管理人さんごめんなさい)

   

 このキャンプ場は初めて来たのだが、川の雰囲気が最高。現在の日本の川は両岸をコンクリートで護岸工事をしているものがほとんどで、よくて片方だけが護岸工事をしているのであるが、ここの川は昔の状態の川、どちらも護岸工事をしていない自然の形の川がキャンプ場の中を流れているのだ。以前にも書いたが、英国に行った時に見た草原の中を流れる自然のままの川をこんな近くで見ることができるなんて、ちょっと感激した。(島根の山の中でもそれほど川という川には護岸工事がされている)
 時間もちょうどよかったし、川の雰囲気が気に入ったので、ここでコンビニで購入してきていた弁当を食べた。この時間が遠足のようでとても好きなのだ。自然の中、自然のままの川を眺めながらの昼食。これ以上の贅沢はない。

     

  

 この川を上っていこうと思ったのだが、ここから先も道は無かった。残念!
黒淵〜白井(白井谷川)
 再び川を下っていくと、今度は、白井谷川という支流がある。まだ、時間があったので、ここも上ってみることにした。標識には、愛宕神社、大杉とあった。この川も岩肌をぬって流れていていろいろな表情があり、見ていてとても面白かった。

    

   

 少し開けたところに長い長い石段が見えてきた。愛宕神社である。その石段の途中に大きな木。これが大杉。これまた、立派である。解説によると、樹齢1000年、幹の周りが6.3メートルというものだ。すごい!近くで見ると逆にこちらを見られているような気がした。そして何か語りかけてくるような錯覚を覚えた。石段は94段あった。その石段を登り神社に行き、お賽銭を出そうとしたが、賽銭箱が建物の中にあり、鍵が閉まっているではないか。賽銭泥棒対策か!・・・お賽銭を出すことができなかった。

     

 石段を下りて、川を上る続きをする。舗装道路ではなくなり、本日初めてのオフロード。マウンテンバイクの本領発揮。ここの川もいい雰囲気だ。今度こそ水源か!と思っていたら、ここも通行止めの波板が・・・。まあ、今日はこういうことなのだ、とあきらめて、引き返すことにした。

    

  

紅葉までにはまだ、ちょっと早かったが、自然をしっかりと堪能できた。今日の『高津川を上る』だった。

本日の走行距離  24.36キロメートル。
最高速度       51.7キロメートル

 次回は紅葉の時期に奥匹見峡あたりに行きたいなあ〜。


















『高津川を上る』