『益田〜岩国〜光』
 2004.9.22
 運動会の代休ということで、めったにない平日の休み。息子たちは学校なので、こういう日にこそ『つぎはぎ日本一周』を、ということで、本日スタートすることにした。コースをどうするか考えたが、次に日に『チーム寺子屋』のメンバーで大島を一周しようということになっていたので、この近くが都合がいい。以前、この近くでは小郡〜光まで来ているので、その続きのコースにすることにした。
 前日の夜、大島一周のために私の自転車を借りに来たのぶゆき氏といちろう氏。なんと、大島一周の帰りにビールが飲みたいということで、私に輪行して『つぎはぎ日本一周』をしてほしい・・というすごい要求を!。帰りの車は酒を飲まない私に運転してほしいというわけだ。私の予定では、車に自転車をつんで、光に行って、そこから岩国方面に向かって進み、車のところまで輪行で帰り、次の日に大島で車で合流、と思っていたのだが・・・・。
 最初は「えっ!」とも思ったが、いつもお世話になっていることもあるし、一度、益田から峠を越えて岩国まで行ってみたいという気持ちもあったので輪行はしないけれども、自転車で益田から出発し、帰りは大島から車の運転手になることは了解した。お〜なんと心の広い私ではないか!
 今回は、そうとうなロングランになりそうなので、6時30分と早めに自宅を出発。このさいだから、1日で進む距離の記録を作るのも面白そうだという気持ちも出てきて、最初から結構飛ばした。
 まずは9号線を日原まで行く。そして、そこから187号線で六日市〜岩国へと進むことになる。
 六日市までのルートは以前『高津川を上る』で進んだ道とほぼ同じである。前回は、川を眺めながらゆっくりと進むツーリングだったので、六日市の水源まで1日3時間ぐらいで、5日間をかけて進んだ。しかし、今回はそれと同じルートを一気に上るのである。
 青原の『巌(だっき)の切抜き水路』という箇所は前回は2日目にベストショットとして写真でも紹介した場所であるが、今回は出発して30分でここに到着。我ながらよく飛ばしたと思う。その後、柿木あたりで、急に大粒の雨が降り始めた。今まで自転車でツーリングをするときには不思議と雨にはそれほどたたられなかったのであるが、今回はばっちりと雨に遭遇。さすがにバス停で休憩をとった。途中のコンビニで買ったおにぎりを食べながら雨が小雨になるのを待つ。

『巌(だっき)の切抜き水路』 バス停で雨宿り

 雨も小降りになったので、再び出発。今までに何度かパンクの経験があるが、そのほとんどが道路が雨のために濡れているときに起こった。その経験から、今回もパンクしなければいいけど・・・と思いながら進んだ。六日市に到着。稲と彼岸花の色合いがとても綺麗だったので、ストップして写真を撮る。その後、このツーリングで一番高い『傍示ケ峠 375m』にさしかかる。ずっと川ぞいの国道で60キロぐらいの道のりだったので坂がきついと感じるところはなく、本当にスムーズにここまで来た。出発して3時間がたっていた。この峠には『山賊』という店があるが、ここの自動販売機のところで2回目の休憩。さあ、これからは下りだ。

  

 錦までの下りであるが、これがとても急で、しかも舗装の状態がよくない。舗装がよかったならば、60キロぐらいは出たであろうが、がたがたして不安定だったため、スピードを抑えながら下った。それでも時速50キロは出る下りだった。一気に錦まで下り、今度は錦川沿いを走ることになる。この川は相当長い距離をカヤックでも下れる川だ。高津川も綺麗ではあるが本流よりもどちらかというと支流の匹見川などが美しい川であるが、錦川は本流自体がとても美しく表情も豊かな川である。この川でも、写真を撮るためにところどころストップした。ここらあたりで再び雨。覚悟を決めてレインジャケットを着て雨の中を進む。
 もう少し下った美川の南桑というところに、以前利用させてもらった、山口アウトドアスポーツネットワークというお店がある。ここは、カヤックを中心に、沢登りなど面白そうなアウトドアスポーツを体験させてくれる店。
 そう、私が初カヤックに挑戦し、みごと沈したあのツアーをしていたお店だ。ここの和田さんはとてもゆかいな方で、初めて会っても昔からの知り合いのような感じがする人な ので、この日も店の前を通ったとき、ふらっと寄ってみた。すると、いつもの笑顔で和田さんが出てきて、コーヒーをご馳走してくれた。小雨の中、錦川を眺め、雑談をした。初カヤックのときに参加者として一緒だったTさん(和田さんと結婚)にも久しぶりにあえた。楽しいひと時を過ごし、また、自転車を進める元気がでた。「和田さんありがとうございました。また、ツアーに参加したいなあと思いました。そのときはよろしくお願いします。」
 岩国と言えば錦帯橋である。50年に1度という架け替えが今年終了した。新品の橋である。錦川沿いの道を行くとその錦帯橋の近くで自転車・歩行者専用道があった。この道から眺める錦川もなかなか素敵だった。川漁師の船がうかんで、そこで漁をしていた。いい雰囲気だ。

   

 錦帯橋はさすがに自転車では通してくれないと思うので、一つ手前の橋を渡り、城側へ行った。たしか、ロープーウェイで城にいけるはずだと思ったからだ。城から眺める岩国の町もきっと素敵だろうと思ったのだ。
 ロープーウェイ乗り場まで来てみたが・・・・なんと、真砂小を襲ったあの台風18号のために、ここのロープーウェイも被害を受けたそうで、今復旧作業中ということで、乗ることができなかった。まあ、そうなら仕方が無い。いさぎよくあきらめて、もう一つの名物「白ヘビ」を見ることにした。

   

 ここの白ヘビは本当に真っ白。突然変異ではなく、白ヘビとして遺伝的にも安定しているものということで、世界的にも類をみない貴重なヘビなのだ。そのヘビは自然繁殖してこの岩国には生息しているということであるが、近年は絶滅の危機に直面しているといってもいいくらいだそうだ。そんな貴重なヘビを見るのは、なんと寄付金100円でいいのだ。すごい。後で考えると、寄付金なので、白ヘビを絶滅させないための研究などに使ってもらうため、もう少したくさん入れてもよかったなあとも思った。

  

その後、岩国市内に向けて進み、昼食をとった。しばし休憩である。このあたりで100キロぐらいだったと思う。時間はまだ午後1時をすぎたところ。足が少々疲れてきたが、まだまだ行けそう。昼食をすませ、今度は柳井方面に向けて出発した。錦川の下流域は、それまでとは少し表情が違い、海の漁のための係留を兼ねた岸と建物といった感じだった。

 

 その後は、海沿いの道188号を南下して行った。海沿いを走っているはずなのであるが、肝心の海はあまり見えず少々期待はずれ。それでも、明日の大島一周ツーリングの集合場所である橋が見えてきた。このあたりまでくると海沿いの道といった感じが分かり、走っていてとても気持ちよかった。
 大島近辺で今日のツーリングを終わるという手もあったが、そこは、『つぎはぎ日本一周』なので、なんとしてでも光まで進み、自転車で通った道がとぎれがないようにしたかった。もうひとふんばりと自分に言い聞かせ先へ進んだ。少しして、柳井に着いた。ここは、四国へのフェリーの発着場所として、今までに何度か着たことがある。この夏も職員旅行の帰りは愛媛からここまでのフェリーを利用した。
 柳井の町を行くと、『白壁の町並み』という看板があった。ずっと走り続けていたので、ここらで、少し観光をかねて休憩を・・・と思い、そこに寄ってみることにした。柳井は室町時代には大内氏の東の要港として栄えた場所だそうで、その後、商人たちが集まり、江戸時代にはにぎやかだったのそうで、そのころの町屋造りの町並みがのこっている場所が、ここ『白壁の町並み』だそうである。ここの町並みはいい感じだった。特にに一番右の写真にあるように、軒下に斜めの柵のようなものがある箇所など、他には無い雰囲気があり、印象に残った。

  

  

 柳井を過ぎ、いよいよ目的地、光に近づいたころ、なにやら嫌な感触が・・・・なんとパンクである。170キロ近く雨の中でもパンクなしで進んでいたので今日はこのまま、パンクをせずにいけそうな気がしていたが、やはり雨の日はパンクしやすいというのは本当のようだ。
 それでも、奈良〜京都のツーリング時の失敗にこりて、今回はスペアのチューブを3本も持ってきていたので、それに変えてすぐに復活。ロードの細いタイヤのパンク修理(今回はチューブ交換)もだいぶ慣れてきた感じ。ただ、私の持っている携帯用のポンプでは、フロアポンプと違ってそれほど空気圧は高圧にはならなかったので、後の道のりは慎重に進んだ。大きな段差があるところだと、空気圧が低いとリムうちパンクになってしまうのだ。それでも、光駅まではなんとか、パンクせずに到着。メーターを見たら178キロをさしていた。我ながら、本当によく漕いだと思う。1日に進んだ距離の新記録を達成。
 光駅で到着記念の写真をパチリ。本日はここで終了。
 次は宿の心配である。『つぎはぎ日本一周』では、こうして、いきあたりばったりの宿探しがある。これも結構スリルがあり面白い。また、できるだけ安いホテルを探すことにしているが、これも一人旅らしくてすきなのだ。
 ということで、まずは、駅の案内板を見て、近くのビジネスホテルに行ったが、そこは満室でだめだった。ここは結構安いところだったので、人気があるのかも・・・。次に自転車で少しうろちょろしたが、光駅はあまり大きい駅ではないからだろう、ビジネスホテルが見当たらなかった。仕方なく、駅の横にある交番でビジネスホテルはどこにあるか聞いたところ、駅の裏側にあるということだった。そこに行ってみた。ここも満室ということだった。「がーん」困った表情をしたのが分かったのか、フロントの人が「エアコンが壊れて使えない部屋なら1部屋空いていますが、ここでもいいですか?」という言葉。もちろんOK。助かった〜。夕食はホテルの横にスーパーがあったので、ここで弁当を購入して部屋で食べた。ちょうど、時間がよかったのか弁当が半額になっていたのだ。ますます、一人旅らしくてよろしい。ということで、益田〜岩国〜光という178キロのロングランは終了した。明日は、チーム寺子屋のメンバーと大島一周。

   

本日の走行距離178キロメートル 1日の最高記録
費用 ホテル代 4900円(エアコンが壊れていたため500円安くしてくれた)
白ヘビ寄付金  100円
















  『つぎはぎ日本一周』