『安芸幸崎〜尾道〜鞆の浦〜福山』
2006.4.17
 前日の日曜日、出勤したので今日はお休み。子どもたちは学校なので、こういう日は・・・『つぎはぎ日本一周』。ただ、1日だけなので、遠くへはいけない。ということで、昨年の9月に行った広島方面の続き。安芸幸崎からスタートして東へ進むコース。
 前日の計画では朝4〜5時ぐらいに起きて、スタートしようと思っていたのだが、寝過ごしてしまい、結局7時20分ぐらいに家を出発した。前日に計画したときには倉敷ぐらいまでいけるかな?と思ったのだけれど・・・・。戸河内のインターで高速にのり、本郷で下りて、安芸幸崎まで行った。ラッキーなことに、この時間帯だと、ETCの通勤割引が使え、高速代が半額になった。
 戸河内のインターの入り口に桜があるが、ここの桜は満開状態。

  

 安芸幸崎に着いたのは10時すぎだったのだが、いつものように駐車場を探すのに苦労した。小さい駅なので、有料の駐車場もない。近くを行ったり来たりして、やっと釣り人などが利用するような道路の横のパーキングを見つけた。こういうのって不審者に見えるんだろうなあ〜などと思ったりした。いい天気の中、ビアンキでスタートできたのは10時25分だった。
 瀬戸内海のおだやかな海を見ながら進む。日本海にも結構漁港はあるが、このあたりもいたるところにある。また、こんなにおだやかな海だったら、シーカヤックも気持ちいいだろうなあなどと思った。

    

 三原に入る手前の橋を渡る。真ん中の川を二つに分けるために造られたような部分が印象に残った。渡りきったところに桜が見事に咲いていた。風は強かったが、お花見の人もいて春〜!だ。ちょっと川を見ると、なんと沈没して船底を上にした船が浮いていた。引き上げないのかな?
 三原駅をデジカメで撮り、横を見ると自動販売機。ここで、水分補給だ!と思って見てみると、お財布携帯も使える自動販売機。恥ずかしながら初めて見た。きっと便利なのだろうなあ。
 三原の町を抜けるところにどこかの駐車場では?と思えるほど、行儀よく船が整列している港を発見。これだけびっしりと、しかも整然と船が並んでいるのを見ると思わず微笑んでしまった。

  

尾道
 尾道という町は、不思議な魅力がある。ここ2〜3年の間に6回ぐらいは来ているのだが、そのたびにいい町だなあ〜雰囲気のある町だなあと思う。狭い空間に海と山があり、斜面にもびっしりと家が立ち並ぶ。この言葉だけ聞くとごちゃごちゃしていてあまりいいイメージは受けないかもしれないが、このごちゃごちゃした雰囲気がいいのである。町の中が迷路のようになっていて、狭い道が斜面にたくさんある。その小道の雰囲気といい、坂の雰囲気といい、懐かしさを感じるどこかほっとする空間なのだ。そして、そのごちゃごちゃした斜面から町の方を見下ろすと、尾道水道が見え、今いる小道の狭い空間とは対称的に明るく伸びやかな空間がそこには広がっている。過去幾多の作家、映画人などがこの町に魅せられここで作品を書いたり、映画を撮ったりしたことも納得できる、そんな魅力を持つ町だ。

   

 尾道では古寺めぐりをしたり、文学の館を見学したりした。普通「つぎはぎ日本一周」では歩いていろいろなところを見学するということはあまりしないのであるが、ここ尾道は坂の多い町、そして、その坂に魅力がある町なので、今回は自転車は駅裏の駐輪場に置いて歩いて回った。
 冬に公開研究会に参加した土堂小学校からスタートして、持光寺、光明寺、宝土寺、志賀直哉旧居、文学記念館など見た。文学記念館の館長さんから、「男たちの大和」のロケ地はもう行ったのか聞かれ、まだというと、JRの緑の窓口で入場券を買えば、往復の渡船代はサービスになるという情報を教えてもらった。
 最初は行くつもりはなかったのであるが、7月までで終わるといわれたことと、文学記念館から見て面白そうと感じ行くことにした。駅前で尾道ラーメンを食べ、渡船で向島へ渡った。

    

駅前のアーケードのところには林芙美子の像がある。

    
坂にはりめぐらされた小道はいい雰囲気だ。
   

 「男たちの大和」のロケでは使った実物大の大和の見学をしたりした。実際には「男たちの大和」という映画を観ていないのだが、メイキングの映像や、ロケ用の大和を見ると、映画を観たくなった。

    
観光バスもきており、平日なのにまずまずの人出。
   
さすが実物大。迫力がある。

 結局午後3時前まで尾道にいた。鞆の浦に行ってみたいと思っていたが、この時間・・・少し迷った。鞆の浦には鉄道が通っていないので帰りのことを考えると、福山まで行かなくてはならないのだ。時間的にちょっと厳しい。それでも、ガイドに載っていた写真を見る限り、なかなかよさそうな町。まあ、ここは山陽。少しぐらい遅くなっても電車は何本も通っているはず。そう思い、行くことにした。
 途中、桜の花の後ろに鯉のぼりがたなびいている景色に出会う。今年は寒さのせいか、桜が結構遅くまで咲いているからか、こうした景色が見られるのだろう。

   

鞆の浦
 鞆の浦までの道は、海岸線から少し山に入る。予想どおり、結構きつい上り坂もあった。最後、え?こんなところを上るのというような急な峠もあったが、それでもそこを越えるとやはり達成感がある。そこから下ると、なんとも素敵な感じの港が見えた。やはり、ここが鞆の浦だった。
 町をぐるっと回ると、掘り出し物というか、予想以上に雰囲気のあるところでびっくり。昔の街並みがいたるところに残っており、タイムスリップしたよう。坂本龍馬が亀山社中の船が沈没してこの場所に何日か滞在したというような話も残っている。また、遣唐使が途中で寄航したというような昔からの港だそうだ。

   
時代劇の撮影にも使えそうな街並み。
   

 それでも、こんな素敵な町なのに残念な出来事が一つ。道幅が狭いこの町では、車は譲りながら進まないといけないのであるが、若者が運転していた白いワゴン車とご高齢の方が運転していた乗用車がかち合わせをした。白いワゴン車が先に停まったまではよかったのだが、停まったところが悪く、狭くて乗用車が通れなかった。にっちもさっちもいかなくなり、ワゴン車が今度はバックして譲ってあげた。ここまでだといい話で終わるのだが、そして、見ていた私もいい話で終わると思っていた。すれ違うとき、譲ってもらった乗用車の方が「すみませんでした。」と言ったかと思うと、ワゴン車を運転していた若者は怒鳴り声を上げ「うるせー!!」といってすれ違っていったのだった。高齢者の方はもちろん、私もあっけにとられてしまった。「すみません」と言っているのにどうしてそんな言葉しか出ないのかと悲しくなった。追いかけて注意してやろうと思ったのだが、自転車の悲しいところ、自動車に追いつくはずもなく、放されてしまった。それにしてもなんとも後味が悪い出来事だった。

 さて、鞆の浦を後にしたのは午後5時前、急いで福山まで帰らないと遅くなってしまう。福山までの道は平坦だったので、トレーニングのつもりで急いだ。福山駅に到着したのが5時30分。自転車を分解して、輪行である。久々の輪行。ちょうど、通学の学生たちが乗っている時間帯だったので、座れなかったのであるが、気がついたら立ったままうとうととしていた。立ったままでも眠れるんだ、と、自分で感心してしまった。

     

 三原で乗り換えをし、呉線に乗る。乗り換えの時間が予想以上にあり約1時間。ホームで待っていた。この1時間でどんどん気温が下がっていった。薄着でいたのだが、寒くなってウインドブレーカーを出して着た。
 安芸幸崎についたのが7時35分。そこで再び自転車を組み立て、車を停めているところまで行った。高速に乗れたのが午後8時5分。8時までに乗れたら行きと同じように通勤割引で半額になっていたところだったが、5分の違いでそれもなかった。残念。サービスエリアでタコ丼を食べた。美味。
 今日の「つぎはぎ日本一周」いろいろあったが、充実した1日となった。

 

走行距離 72.03キロメートル
平均時速 20.8キロメートル
最高速度 52.4キロメートル

費用  高速代 戸河内〜本郷 1250円(通勤割引)
          本郷〜戸河内 2450円
     男たちの大和ロケ見学 500円(渡船代含む)
     おのみち文学の館入館料 300円
     電車賃 福山〜安芸幸崎 740円

    















『つぎはぎ日本一周』