『宮の浦〜時津』
2005.8.8

     『つぎはぎ日本一周』2日目 宮の浦〜時津

 初野宿の感想は・・・・まあ、こんなものだろう。夜は暑くも無く寒くも無くで野宿にはちょうどいい季節だったからこんな感想ですんだのだと思う。
 明るくなってきたので、宮の浦を出発した。朝6時前だった。再び、あのアップダウンのある道を進むというので、少々気は重いのであるが、1晩寝ているし、朝なので、元気があるということで、気合を入れてスタートを切った。
 昨日は気がつかなかったが、ここらあたりは、もう稲刈りが始まっている田んぼもちらほら。早い。

 

 少し行くと、昨夜、漁から帰ってきた少年から聞いた、学校が見えてきた。ここは、児童、生徒数が少ないので、(とは言っても100名ぐらいいるそうだ)小学校、中学校が同じ校舎で勉強しているということだった。これは、とてもいい方法だと思う。真砂も、こうなればいいのに・・・と感じた。
 沖縄の建物は台風で屋根の瓦が飛ばないように工夫をしているとよく聞くし、実際に言ってみても島根などの家とはやはり違い、鉄筋コンクリートといった感じの家が多かったが、ここ宮の浦も台風が来たとき、風はそうとうきついのだろう。屋根瓦の上にブロックがおいてあり、瓦を飛ばさないような工夫をしている家が何件もあった。
 工事中で、土が表に出ているところがあったが、そこの土は赤土だった。その赤色が妙に赤く見えたので、写真を1枚とった。

  

 383号線を北上。平戸島の真ん中あたりに紐差教会がある。九州北西部には歴史的なことから教会が多い。教会というのは、異国の雰囲気満載のちょっと独立した空間のような、それでいて調和しているような不思議な美しさがある。まあ、こうした立派な教会が私の住むところにはあまりないので、そう思うのかもしれないが、ここ、紐差の人々はすでに、生活空間の一部としてこの教会のある風景を自分の体の一部のように感じているのかもしれない。

 

 自転車で進んでいると、ぱっと目に入る風景で、ここは!と思う場所に出会う時がある。普通、車なら、そのまま通りすぎてしまうのだろうが、そんな時にすぐに止まることができるのが自転車のいいところ。今回も何箇所か、そんな場所で写真をとった。

  

 平戸大橋をすぎ、平戸街道204号線を進む。次の目標地は佐世保。しかし、後でわかったことだが、県道18号を通っていると、日本本土最西端の場所、神崎鼻公園があったということだった。う〜残念。
 佐世保駅に到着したのは11時15分ごろだった。その後国道35号、205号のバイパスなどを通ってハウステンボスには13時ごろに到着。ハウステンボスには何度か入っているので、今回は通過だけ。
その後、自動車専用道の西海パールラインを通れば、西海まで最短距離なのであるが、自転車はっこを通るわけにいかず、県道141号、国道204号という大回りをすることになる。ここは、景色はきれいだったが、上り坂が結構きつかった。

    

 毎年、夏の『つぎはぎ日本一周』はそうなのだが、相当の汗をかく。そのために水分補給だけはしっかりするように心がけている。この夏はありがたいことにコカコーラが500ml缶を100円で売っていたので、これをずいぶん活用した。缶を買って、ペットボトルに入れて、ちょっとずつ飲みながら進んだのだ。普通ペットボトルは150円、1本につき50円の差は大きい。と、いうのもこれだけ汗をかくと、10キロ〜20キロ進むうちに500mlぐらいは飲んでしまうのだ。本当に今回は何本も飲んだ。飲んだものベスト3は、1位アクエリアス。2位日本茶、3位ミネラルウォーター。

 

 西海橋。この橋は、クールファイブ?か何かの歌に出ていたような気がするが、名前が記憶にある橋。実際来てみたら、その橋が架かっている海峡の潮の流れが複雑ではやいこと!だれかが混ぜているのではないかと思うほど、海面が盛り上がったようにいろいろな模様を描いていた。西海橋の横に新しい、第2西海橋が建設中だった。

   

 206号線を長崎方面に進む。途中、昨日の野宿からか、疲れがどっとやってきた。そこで、道端にあった、ちょっとしたベンチに横になって、しばし仮眠を取る。これで、体力復活。大村湾の美しい景色を見ながら進む。

   

 午後4時ごろになり、時津という大きな町に入る。そろそろ今晩の宿泊地のことを考えないと、また、野宿ということになりかねない。明日は8月9日、長崎に原爆が落とされた日。原爆慰霊祭があるので、長崎の町にあるホテルなどは、きっといっぱいだろうと思い、ちょっと早いがここ、時津で宿を探すことにした。
 最初に目に入ったのは、ビジネスホテル。そこに行ってみると、なんと、満室ということだった。・・・・いやな予感が。そこで、そのビジネスホテルの受付の方に、ここの近くで他に泊まれるところはないかを聞いた。すると、近くに民宿があると紹介してくれた。そこで、その民宿に行っていると、なんと、そこも満室ということで、宿泊は無理ということだった。いよいよ昨夜の悪夢よ再び・・・って感じになってきた。しかし、それだけはなんとかさけないといけない。「風呂だけでも貸してもらえませんか?」と交渉するが、ここの民宿の風呂は小さいということで、近くのサウナを紹介された。そして、私の困った様子を察してくれたのか、「サウナから上がったら、また、電話をしてみて、もしかしたら、どこか寝られるところがあくかもしれんけん」と言ってくれた。「どんなところでもいいね?」と最後、念押ししてくれたので、なんとなく期待を持って紹介されたサウナに行く。このサウナは深夜1時までの営業ということだったので、最悪、ここに夜中1時までいて、それから野宿をしようと思い、サウナに入る前にやや早いが食事をすませておいた。ここは、いろいろな風呂、いろいろなサウナがあり楽しむことができた。特に氷点下の冷凍サウナをいうものがあり、これが結構気持ちよかった。仮眠室もあり、ひょっとしたら、泊まれないかも?ということもあり、しっかり仮眠を取ることにした。
 9時ごろになったと思うが、ためしに民宿に電話をしたら、泊まれるということだった。ほっと、一息、なんと食事まで準備してくれるということだった。
 民宿に行くと、すぐに食事を出してくれた。ありがたい。しかも、これがすごいご馳走。こんなことなら食事をしなければよかった、と少々後悔する。それでも、全部おいしくいただき、部屋に入った。

  

走行距離  149.59キロ
平均時速  18.2キロ
経費     サウナ 550円
        民宿 6000円















『つぎはぎ日本一周』