寺子屋しまなみ海道ツーリング  2004.5.1〜2

2004.5.1
 Week end寺子屋による今年度最初の大きなイベント「しまなみ海道ツーリング」
 朝5時15分。まだ暗い中しぶちゃん宅へ集合。家の横の空き地にはレンタカーのマイクロバスが待っていた。総勢20名の大集団である。サポートカーとしてマイクロバスがあちこちへ移動するのも大変ということで、ステップワゴンももう一台もって行きサポートカーとして利用することにした。ステップワゴンには子ども用の自転車3台と私の自転車を輪行袋に入れて4台、リアにキャリーをつけて、そこにのぶゆき氏としぶちゃんの自転車を2台の計6台を乗せて行く事にした。乗せようと思うと乗るもんだ。
 子どもたちも今日のこのイベントを楽しみにしていて、朝5時前に起きたというのに眠たそうな感じはなく、興奮ぎみ。
 私とのぶゆき氏はステップワゴン。そのほかの18名はマイクロバスへ乗り5時50分ごろに出発となった。マイクロバスの中の様子は分からなかったが、きっと大騒ぎで大変だったのではと予想する。
 順路は浜田から高速にのり、尾道まで行くというものだ。途中のPAで休憩。このときに朝食のおにぎりを食べる。
 ここで第1のハプニング。なんと、この大事なときにしぶちゃんが携帯と財布を忘れたのだ。財布には免許証も入っている。みんなからビールを飲むために、わざと忘れたじゃろーと責め立てられる。私はビールには興味がないので、そんなことは思わなかったが、サイクリング時の連絡には絶対必要な携帯を忘れるとは・・・・と半ばあきれていた。そして、そのことでつっこみを入れようとして、そういえば、私の携帯はどこにやったかなあと一瞬不安がよぎった。しぶちゃんを責める前に念のため、私の携帯を確認・・・・・ガーン、なんと私も家に忘れてきていたのだ。そのことをみんなに言うと大笑いになってしまった。道案内で先頭を行く私こそ、後ろと連絡を取りながら行かないといけないので、携帯は絶対必要だったのに・・・本当に間抜けだあ。まあ、今は他の大人はほとんどが持っているので、なんとかはなるのであるが。
 
 高速を降り、しまなみ交流館を目指す。この近くにレンタサイクルがあるのだ。しかし、そのレンタサイクルがある場所に行くと、マイクロバスを停めるようなところがなく、仕方なく係りの人に話すと、少しの間なら有料の駐車場にサービスで入れてあげるということだった。子どもたちをおろしたらすぐに出発する約束で・・・。これが失敗。最初から駐車料金を払えばよかった。そこの管理人のおじさんが短気で、まだかまだかとせかすのである。子どもたちは降りるにはおりたが、自転車のサイズを合わせたりと多少てまどったのがいけなかったようで、レンタサイクルの利用者、いわばお客さんのわれわれを常識知らずのような言い方で責めるのだ。これにはまいった。もうここのレンタサイクルは二度と利用しないぞ!と思わせるには十分な言動に、さすがのYさんもちょっと切れ気味。そんなに言うなら駐車料金を払うからと言うと、それはいいということだった。朝から気分が悪くなる。
 気持ちを切り替えて、さあ、いよいよサイクリングに出発である。とは言っても昨年の夏に息子たちと尾道大橋を通って恐い思いをしたので、今回は向島へは渡船で渡ることにした。
 
 渡船を待つ間、地図を見せて今回のツーリングはどこを通るのかを説明したり、安全に関する注意をしたりした。渡船で向島へ渡り、そこから自転車。私が先頭で道案内をし、上の学年から並び、途中にお母さん、後ろには1年生をサポートするのぶゆき氏としぶちゃん。という大集団。サポートカーには運転手のHさんとお母さん2名、幼稚園せいのTちゃん。である。(マイクロバスは最初に本日宿泊予定地にもって行き、ステップワゴンだけで、サポートした)

 道案内役の私であるが、前回は尾道大橋から行ったので、渡船乗り場からではない。しまなみ海道の標識らしきものが見当たらず、なんと、いきなり道を間違えてしまった。まあ、間違えたといってもたいしたことはなく(峠を一つ越えることになった)道のアップダウンはそれほどでもなかったのであるが、道を間違えたことで、サイクリングロードではなく、普通の歩道だったり、車道だったりということになってしまった。1年生が二人で、しかも先日やっと乗れるようになったばかりのT君には恐い思いをさせてしまったかもと申し訳なく思った。・・・・後で聞くと、マンツーマンでのぶゆき氏やしぶちゃんがフォローしてくれていたそうである。
 特に先日乗れるようになったばかりのT君はなんとブレーキが大きすぎて握れない状態だった。ということで、自転車の一番気持ちいいところ下りはすべて押していったということだった。マンツーマンののぶゆき氏は汗だくになりながら、ずっと伴走してくれた。感謝。感謝。サイクリングというよりもマラソンに近かったかも。のぶゆき氏に言わせると、1日目は本当に大変だったということだった。普通に乗っているときもふらふらしていたので、片手はT君の襟首を持って、もう片方は自分の自転車を持ってずっと走っていたそうである。何度か溝に落ちそうになり、T君を腕力でかついでいたそうだ。(当然自転車は溝へ)
   
 当然先頭集団とは大きく離れることとなる。そこで、途中の砂浜で、1回目の休憩をかねて先頭集団は遊ばせていた。そこには、キスゴ釣りをしている人がいた。釣果を見せてもらいびっくり。とんでもない外道がかかっていたのだ。35センチはあろうかというチヌ。うらやまし〜。子どもたちもその方の近くにより、見せて見せて〜の大合唱。・・・・・ご迷惑をおかけしました。
 この浜で30分から40分は待ったと思うが子どもたちは、すがすがしい風、気持ちいい海で「まだかなあ」という感じもなく、ちょうどいい休憩といった様子だった。そこへのぶゆき氏とT君がやってきた。みんなからの拍手で迎えられたT君はにっこり。のぶゆき氏は頭から水をかぶったような汗でやってきた。マラソンランナーのように。お疲れ様。・・・・いやまだまだ先は長いのだけれど。
 少しして、再び出発。最初の橋「因島大橋」全長3.4キロの大きな橋だ。この橋は二階建てになっていて、1階がバイクと自転車歩行者の道、2回が自動車というよういなっている。橋の上に上るまでは自転車バイク専用道がついていて、そこを走る。子どもたちはずっと後ろを通っていたので、ここでは上の広場までは自由に登っていいということにした。こうなると、速い速い。大人が最後についていくような感じで、上の子どもたちは登って行った。橋の入り口である程度そろうまで、待ったが、のぶゆき氏から先に進むようにという連絡が入った。通行料一人50円を払い、因島大橋を進む。2階建ての橋は珍しく、すぐしたに海。ところどころでストップしながら橋を楽しんで渡った。「しまなみ海道」のツーリングはこうした橋がところどころにあるので、アクセントになってあきない。子どもたちにとっても橋はある目標になる。
  
 さて、因島大橋をわたり、次に向かったのは恐竜のいる公園だ。ここで、全員が集合して昼食をとることにしたのだ。昼食といっても、サポートカーが途中のコンビニで購入したおにぎりなどである。20名もいると、どこかのレストランで・・というわけにもいかず、こうした方法をとったが、これもまた楽しい。青空の下おにぎりをおいしくいただいた。
 
 因島のしまなみ海道サイクリング道路は、他の島に比べて極端に整備されていないという印象を持った。特に因島運動講演あたりの峠を越える道は狭く、途中でこれが本当にサイクリング道?と首を傾げたくなるほど。昨年の夏に息子たちと来たときには水軍城を見るために、違う道を通ったので、それほど感じなかったことである。実際我が家の次男が狭い道でバスが横を通ったので左にハンドルを切ったらちょうど鉄の溝蓋があり、滑って転んでしまったらしい。
 峠を越えて海岸線に出ても歩道としてサイクリング道がある箇所と無い箇所があり、後ろの方を心配しながらのツーリングの時間となった。そのころ、T君はのぶゆき氏と例のごとく時速7キロのスピードで、必死になってあとをついてきていたということだ。これだけゆっくりだと、それほどの危険は感じなかったということで、ほっと安心。生口橋のたもとまできて、ここで少し休憩。このツーリング一番の整備されていない道路をすぎたので、ほっと安心の図である。

 生口橋は自転車と歩行者の専用の道があり、その上を気持ちよく通れる。(因島大橋はバイクも通る)ここでも高い橋の上で大喜びの子どもたち。橋の上るまでのサイクリング道の坂のきつさも橋の上からの景色を見るといっぺんに忘れ、いい気分になる。
  
 生口島のサイクリング道は因島とはうってかわって、よく整備されている。ひろい道なので、子どもたちも安心して通ることができる。しかし、この安心がときには危ない?おもしろい?ことをひきおこす。油断しきったKちゃんがなんと両手をはなして自転車を運転していてバランスを崩しサイクリング道の横に植えてある木(背は低い)に激突というか、おおいかぶさるようにこけたのだった。「でへへへ。」という照れ笑いとともに起き上がったKちゃんは不死身だった。「こら!もう両手を離して運転なんか、するなよ!」
 1年生のT君とHちゃんもこの道なら元気が出たようで、Hちゃんはしぶちゃんをライバルと決め絶対負けないぞ!とはりきって自転車を運転していた。しぶちゃんもそのへんは心得たもので、少し前に出かけてはHちゃんのがんばりをさそい、そしてまた退くの連続でこの道を進んだということだった。そのおかげでHちゃんの速いこと速いこと。変速機の無い子ども用の自転車でありながら時速20キロぐらいで進んだということだった。途中のコンビニでおやつのアイスを食べようということになって、待っていたのだが、今までの待ち時間とは比べ物にならないくらい早く着いた。T君も同様で、あれほどよたよたした運転で始まったこのツーリング。最初は溝があるから落ちるなよ〜と思うと、吸い込まれるように溝に向かっていたあの運転が、ここらあたりではなんと人や障害物をよけて通れるようになったそうだ。おかげでのぶゆき氏も首のところを持たなくてもよくなったようで、やっと自転車に乗りながら進むことができたということだった。T君はこのツーリングで随分上手に自転車に乗れるようになったのだ。その証拠に出発前までは自転車と一輪車はどっちがいい?と聞くと一輪車と答えていたT君もこの時点ではもう自転車になっていたのだ。(一輪車には上手に乗れるのだ・・・・これが不思議)

 30キロのツーリングを終え、旅館に向かう。
 本日の宿泊地は耕三寺の近くの民宿である。ゴールデンウェークなのであるが、2月には予約を入れていたおかげで泊まることができた。この民宿は普段は釣り客用らしく名前も「皇船荘」。実際4〜5名は釣り客が宿泊していた。
 男組み(子どもを含む)が泊まるのは離れということで、そこにあがっていくと、そこは人が住んでいるような部屋。??なんと家を間違えたのだ。「ごめんなさ〜い」すぐにその家を出て、その隣の家へ。ここに本当の部屋があった。少し休憩して、風呂に入る。民宿なので、大勢が入るわけにはいかず、4〜5人ずつ入った。ツーリングの後の風呂は格別。いい気持ちだった。
 しかし、そのころ、R君ややすしさん、さわえさんなど相次いで目が赤くなった。特にR君ははれてくるほど。今日の乾いた空気やサイクリング中のほこりなどが原因かなあ?と不思議に思っていた。なかなかなおらないのでついにやすしさんが近くの薬局に行ってアレルギーを抑える目薬を購入してそれをつけた。すると、うそのようにかゆみや痛みがとれたのだ。その原因は写真を見てわかった。なんと、布団を引くときに出たと思われる、ほこりか、布団についていた花粉が部屋中を舞っていたのだ。目では確認できなかったのであるが、写真にはばっちりほこりらしきものが写っていた。
  
 夕食は釣り客の利用する宿だけあって、海の幸がいっぱいだった。特にタコのてんぷら(子どもの夕食)はうまかった。さしみも出ていたが、益田でもさしみはおいしく新鮮なものが多いし、自分でも釣るので、
特にうまいという感じではなかったが、ツーリングの後ということで、お腹いっぱいいただいた。
 9時すぎには子どもたちも疲れからか、全員が熟睡。
 こうして1日目は無事に終了 走行距離は30キロ。

2004.5.2
 2日目。本日の予定ルートは瀬戸田〜大山祗神社までの20キロのコース。
 この2日間ずっと自転車に乗り続けているだけというのも味気ないので、観光もすることにしていた。その最初の箇所は耕三寺。ここは昭和にできた新しいお寺である。それだけにいろいろと趣向を凝らしていて面白い。孔雀がいる広場があったり。地下道があり、そこに地獄の様子を紹介しているところがあったり、お寺にはちょっと場違いのような未来心の丘(大理石で白一色の庭)などがあったりする。子どもたちにとっては普通のお寺を見学するのよりもきっと面白いだろうということで、観光地として選んだ。その中で我々大人が一番見せたかった箇所は地下道の地獄の絵。悪いことをしたら、こうなる!ってことをしっかり脳裏に焼き付けておいてもらわないといけないと考えたからだ。
 子どもたちはまず、孔雀に興味を示した。丁度時間帯もよかったのか、何羽も羽を広げて我々の目を楽しませてくれた。その後、立派な建物を見て、いよいよ地下道。うすぐらい中、子どもたちも地獄の様子を一つひとつ丁寧に見ていた。大人のもくろみとは逆に「酒を飲む罪」というところがあり、子どもたちから酒豪のお父さん、お母さんにチェックを入れられる場面も・・。
 イタリアを思わせるような大理石の広場も気持ちよく、最初の観光地としては満足の耕三寺であった。
     

 耕三寺を出発して、向かうのは生口島と大三島を結ぶ多々良大橋である。この橋もとても美しい橋である。その途中で、夏にキャンプをした瀬戸田サンセットビーチがある。懐かしい。この浜からはひょっこりひょうたん島のモデルになったといわれている「ひょうたん島」が見える。
   
 この辺りのサイクリングロードは本当によく整備されていて気持ちいい。橋に上るときの坂は少々大変だが、上れば気持ちいい橋の上からの景色が見られ、その後は下りもまっている。
 多々良大橋の柱の部分には拍子木がおいてある。ここで、手を打ったり、拍子木で音を鳴らしたりすると共鳴して響くのだ。子どもたちは早速拍子木で音を楽しんでいた。
 多々良の道の駅で、本日の昼食。
  
 今日は、ここにマイクロバスを置いて、ステップワゴンでサポートすることにした。例のごとく、高学年軍団が最初につき、すぐにおにぎりを食べようとしたが、そうはいかない。全員が集合するまではおあずけ。おにぎりや飲み物の入った入れ物の前でじっとがまんする図。これが結構面白くて写真を撮ってしまった。(上の真ん中)全員がそろったところで、おにぎりを食べ、元気いっぱいの子どもたち、何をするのかと思ってみていると寝転がって列車のようにつながって遊んでいた。面白いことを考えるなあ。ちょうどそのころ近くでテレビ中継をやっていた。
 お腹もいっぱいになったところで、ラストスパート。今度は峠を越えて大山祗神社へと向かう。ここのサイクリングロードは完璧で、急な坂になっているところなどは、車道とは別に大きく迂回して斜面をゆるやかにしているなどの配慮があった。しかし、そんな中でも気温も高くなったことも手伝って、2日間で一番のきついルートだったようだ。(子どもたちの感想)峠を上ったところで、休憩。いや、一度ダウンという感じかな?沢江さんはTちゃんとともにこの坂を制覇。さすがスポーツマンの沢江さんでも相当疲れたよう。
 
 大山祗神社までは、今度はずっと下り。自転車はこれがあるからやめられない。つらいことの後はこういう心地よいことが待っている。子どもたちにもいい人生勉強だ!ほんとかいな?
 この神社の宝物館には源頼朝や義経の剣や、歴史上の人物の武具などが多数展示してある。国宝級の武具の80パーセントがここにあるらしい。すごいことだ。それと、昭和天皇の研究の成果が展示してある海事館もあり、子どもたちは、ここも喜んで見学した。
  
 大山祗神社の道の駅にサイクリングターミナルがあり、自転車を返却できるのだ。もとの場所にもどさなくてもいいというのはありがたい。ここで、がんばった子どもたちにごほうびのアイスを食べさせ、無事終了となった。
 
 このまま帰るには少し時間があるということで、次回「しまなみ海道ツーリング第2弾」のために来島海峡大橋に行き「今度はここを通るんで」とその橋を見せようということになった。しかし、これが失敗?渋滞にまきこまれたのだ。さすがはゴールデンウィーク。これなら自転車の方が速いかも?などと思いながらゆっくりと進む。
 来島海峡大橋の道の駅について記念写真をパチリ。
 息子は、すぐさま、「ここのホテルが泊めてくれんかったんで〜(ホテルは満室)風呂にもいれさせてくれんかったんで〜それで、野宿したんで〜」と昨年の夏の思い出を自慢していた・・・自慢になるような内容か?
 
 後は、帰るだけ。2日間で50キロのサイクリング。お父さんたちにはそれほどでもなかったかもしれないが、子どもたちにとっては本当に過酷な2日間だったかも、いやお母さんにとっても・・・。
 益田に着いたのは、夜中の11時30分ごろ。自転車に乗れるようになったばかりのT君も、疲れのためか家の玄関で座ったままご就寝。

 こうして鍛えられていく寺子屋軍団であった。
















『つぎはぎ日本一周』