宍道湖一周ツーリング 2004.8.16〜17
以前、『つぎはぎ日本一周』のときに、出雲市内を流れる運河「高瀬川」沿いに感じのいいサイクリングロードがあることが分かった。いつかは、親子でこのサイクリングロードを通ってみたいなあと思っていたので、今年の親子サイクリングはここ、出雲を中心に計画することにした。出雲といえば、出雲ドーム、ちょっと足を伸ばせば、出雲大社など、子供たちと一緒に行ってみたい箇所が何箇所かある。また、1泊か2泊するとなると、出雲市内だけではものたりないので、宍道湖を一周してみたら面白いかもということになった。
ただ、宍道湖の南側9号線は自転車で通ったことがあり、割と安全に走行できるのは分かっているが、問題は北側の道。この道は車では何度か通ったことがあるが、自転車に乗ったらどうなのか?という視点で見ていたことがないので、安全かどうかについては行ってみないとわからないというのが正直なところで、ここだけが心配だった。ただ、息子たちも小5と小3になったので、車道を通るような箇所があっても、それほど心配はいらないと判断して決行することにした。
昨年の「しまなみ海道」は、ところどころにキャンプ場があったので、テント泊で行うことにしたが、今度のコースには適当なキャンプ場はみあたらなかった(もっと探せばあるのかも)ことと、アテネオリンピック開催中、しかも、体操男子団体決勝のある夜ということで、今年はホテルを予約することにした。夕食、朝食付きのユニバーサルホテルをとった。
2004.8.16
さて、8月16日朝5時に目を覚まし、息子たちを起こす。出発は5時20分ぐらいか?次男は車の中で2度寝を開始したが、長男の方は、急に鼻血が出て、なかなか止まらずに寝れない状態で出雲に向かった。 まあ、鼻血はよくあることなのだが、サイクリングには体力がいるので心配しながら運転していた。なかなか止まらなかったので、途中のコンビにでアイスを買い、鼻にあてて冷やすようにした。そのかいあってか、出雲につくまでには血も止まり、なんとかサイクリングは大丈夫そう。
車をどこに駐車しておくか?という問題。これは「つぎはぎ日本一周」でもいつも悩む。ホテルは松江に予約しているので、夕方までにはそこに行かなくてはならない。一番理想的なのは道の駅であるが、出雲市内にはない。そこで、高瀬川の出発点、来原岩樋の公園の駐車場に行ってみることにした。思ったよりしっかり駐車スペースがあったので、ここに決定。明日まで駐車させてもらうことにした。
この場所で、キャリアに積んできた子供用の自転車2台をおろし、私の自転車(今回は荷物があるので、グレートジャーニー)を組み立てて、出発の準備をした。昨年はテント泊なので、フル装備だったが、今回は着替えぐらいなので、前のキャリアとバックだけを持ってきた。これで十分だった。前にバックをつけたことで、ハンドルが安定していい感じだった。また、リックは使わず、全てこのバックに入れたので体は軽く快適だった。
さて、出発点の来原岩樋を見て息子たちにいろいろ説明した。以前出雲市内の小学校に勤めていたときにここの勉強をしていたので、懐かしく思い出しながら説明した。
ここは大梶七兵衛が斐伊川から出雲平野へ水を引くために岩をくりぬいた場所で、そこから市内に運河(高瀬川)を建設して出雲の農業に大きく貢献したのである。
高瀬川沿いのサイクリングロードは川の流れ、柳の並木などで、とてもいい雰囲気。その道を気持ちよく子供たちのペースで進む。この道をずっと終点まで行くと、そこは出雲大社の近くまで来ていた。
出雲大社にお参りすることにした。息子たちは大注連縄に賽銭を差し込んでいることがめずらしいらしく、興味を示していた。
近年発掘でその存在が本当だったといわれている、古代の出雲大社御本殿。平安時代の子供用の教科書に、日本で一番高い建物といわれていたそうで、奈良、東大寺大仏殿45メートルよりも高い48メートルと伝えられているそうだ。先日大仏殿を見ているだけに、それより高かった本殿を見てみたかったなあと思う。発掘された柱のレプリカがあったが、その大きさはさすがだった。
出雲大社を後にして、次に向かったのは出雲ドーム・・・のはずだったが、その途中の島根ワイナリーによることにした。息子たちは、少々ばて気味だったので、「ワイナリーに行くと、ただでブドウジュースが飲めるよ」という言葉をかけた。とたんに元気になった息子たち・・・・。
ここの見学コースは無料で、ワイン製造の過程を見せてくれる。残念ながらこの日は工場は休みで機械は動いていなかった。ただ、見学はでき、その先の無料の試飲コーナーも空いていた。息子たちは、お待ちかねのブドウジュースをおいしいといって、3杯〜4杯飲んでいた。ごきげん!
次にいよいよ出雲ドーム。ここもせっかくなので、見学コースに入った。ただ、ここは中を見るだけで、福岡ドームのバックステージツアーのような感じではなかった。出雲ドームは木造で(とはいっても鉄も使っているが)柱一つが80メートルぐらいある。その1本で普通の家が2軒建つほどの木材を使用しているということだった。
見学を終えたところで、丁度昼時、ドームの近くにある自然食品の店に入り、うどんを食べた。息子たちは食べすぎで少々ダウン。
今日の観光はこれで終了。あとは湖北線で松江に向かう。
昨年は、暑さ対策に霧吹きを使用したが、今回はそれを準備をしていたのに持ってくるのを忘れた。しかし、ローソンによったときに強い味方を発見。氷晶というかちかちに凍った飲み物である。(写真)時々これを首筋や顔、手などにあてて暑さをしのいだのだ。また、解けてきたらその分は水分補給に飲むのである。これのおかげで随分気分的に助かった。
湖北線は心配していたとおり、ところどころ歩道がなく、車道を通らなくてはならない箇所があった。次男を先頭、私が真ん中、長男を後ろにして、私がバックミラーを見ながら車の様子を二人に解説したり、道を指示したりして進んだ。息子たちも車道でトラックが後ろから来るときは恐かったと言っていた。まあ、それでも息子たちは経験を積んできているだけはある。私から見ると上手に走行していた。
あっそうそう。そう言えば久しぶりにグレートジャーニーに乗った感想は、サドルがとってもやわらかいということだった。これなら、お尻も痛くならない。また、ビアンキではついついスピードを出したくなるのであるが、グレートジャーニーは、のんびり走行がよく似合うなあという感想である。ギヤ比の関係もあるかもしれないが、息子たちと行くのはこっちの方がいいように思った。キャリアが取り付けられ荷物をいっぱい積めるということもある。
湖北線を行くと、途中ティファニー美術館があった。初めてであるが、今回は先を急ぐため写真だけ撮って通過。少し行くと今度は昔さながらの船の小屋が見えてきた。いい感じだったのでここでも写真を撮った。
そして、ついに松江に到着。宍道湖湖岸に下りてしばし景色を楽しむ。夕日が綺麗なことで有名な宍道湖であるが、まだ夕日までには時間があった。
予約していたユニバーサルホテルに行き、疲れた足を休めた。ここは温泉もあって、夕食朝食付きでトリプルの部屋をとっても、14500円ぐらいだった。
昨年の「しまなみ海道」は野宿に近いテント泊だったので、息子たちはホテルということで大喜び。近くに適当なキャンプ場がないということと、オリンピック開催中ということで、今年はホテルにしたのだ。
日本体操男子団体決勝があるため、深夜に起き出して見始めた。手に汗握る展開で、とても寝るような状況ではなく、結局最後まで見た。最終種目の鉄棒、ルーマニア、日本、アメリカ三つ巴。ここで、失敗すると即、金はなしという厳しい状況。ルーマニア、アメリカと失敗をする中で、日本は見事に3人ともばっちり決めた。28年ぶりの団体金メダル。この瞬間をテレビではあったが、見ることができて本当によかった。夜通し見ていたかいがあった。いや〜本当にすごかった。
本日の走行距離 59.5キロ
ホテル代 14500円
出雲ドーム見学 290円
2004.8.17
昨夜のオリンピック観戦で少々寝不足。朝7時30分に起きる予定だったのが、8時30分になった。朝食はビュフェ方式であるが、品数は少ない。それでも量は自由なので、しっかり食べ本日の走行に備えた。
まず最初に向かったのは松江城。ここで、小泉八雲資料館と武家屋敷の共通券を購入した。松江城は昔から残っていて中は木造。それでいてしっかりとしている。昭和25年に大修理をしたということであるが、とても貴重な城である。
10年ぐらい前からだと思うが、城周りの堀を利用して「堀川めぐり」が行われているが、この船が堀を通る景色は心が和む感じでいい。松江に4年間住んでいたが、今回初めて武家屋敷・小泉八雲の資料館によった。武家屋敷で食べて白玉アイス、うまかった。
「お父さんが勉強したり、体操したところだよ。」ということで、次は島根大学に息子たちを連れていった。ここ2年、島根大学には免許や研修の関係で何回か来ているが、大学周りは学生当時と比べ驚くぐらい変わっている。私が入学したころは、前の道はまだ狭く、田んぼがいっぱいある中に大学があるといった感じだったのであるが、今は道も広くなり、何本も新しい道ができている。田んぼなども見えず、いろいろなお店、アパートなどが立ち並ぶ。大学の中も体育館が新しくなったり、理学部棟が新しくたったりしている。ただ、周辺に比べると、変化は少なく思い出の箇所も多いのがなんだか、ほっとする感じでうれしい。教育学部棟や毎日体操の練習をして汗を流していたトレーニングセンターも当時のままだ。
お腹がすいていたら、島根大学の学食で食事をしようと思っていたが、まだ少し早かったので、ここでの食事は止め、出雲に向けて出発した。新しくできた道を通り松江駅に向かう。本当に町が変わったなあ〜と思う。松江駅も整備されてる。県立美術館の少し手前でちょっと休憩をする。こうして見ると本当に松江は川が多い。宍道湖もあり、水郷都市というだけはあるなあと思う。水が見える景色というのはこころが休まる。
少し進むと嫁が島に一番近い箇所に来た。聞くところによると、嫁が島まで腰ぐらいの深さの水中の道があり、歩いていけるということであるが・・・・そんなことを息子たちに話すと驚いていた。9号線は割りとしっかりとした歩道が続いていて湖北線に比べると自転車にとってはやさしい道だった。でも、何箇所か歩道が未整理な箇所もあったのも事実。日本国中に自転車専用のレーンが整備されるとうれしいけ。そうすることで、もっと自転車に乗る人が増え、環境にもいいのになあ・・・と思う。
9号線沿いに「あすか」というレストランがある。以前も何度か利用したことがあり、懐かしかったので、入ってみた。息子たちと一緒にあさりスパを食べた。これがなかなか美味。
さあ、あとひとふんばり。斐伊川を渡り、いよいよスタートした来原岩樋に近づく。とその前に、私が以前住んでいたところを息子たちにも見ておいてもらいたくなり、訪問、というか見るだけだったが。
そしてゴール。
今年の親子ツーリングは昨年ほどの過酷さはなかったが、息子たちとともに楽しめたツーリングになったように思う。(昨年は息子たちは大変がっていた)こうして、ますます自転車の魅力にはまっていく親子であった・・・父親だけか?息子たちよ次回もつきあってくれよ。
本日の走行距離 42.5キロメートル
松江城・武家屋敷・小泉八雲資料館入場券 大人1名子供2名 1840円
『つぎはぎ日本一周』