E米子〜鳥取 『松江〜鳥取A』
2003.6.21(写真をクリックすると拡大します)
朝は、とても気持ちよく目覚めた。格安のホテルであったが、朝食はバイキング形式だったので、しっかりと食べ、エネルギーを充填。この値段で、ここまでしてくれると、他のホテルは大変だろうなあと、変な心配までしてしまった。
昨夜多少雨が降ったようだったが、朝は快晴。気持ちよくツーリングができそうである。米子から東は、大山にスキーに行ったときぐらいで、それ以外はほとんど記憶にない場所である。特に、大山よりも東は小学生だったころ両親に鳥取砂丘に連れて行ってもらったことと、15年ぐらい前にサークルがあって、行ったことぐらいしかない。 もちろん、自転車で進むということは初めてである。とてもわくわくしたスタートとなった。
鳥取県の道はゆったりとした歩道があり、安全に進むことができるところが多い。また、平坦な道が多く、島根県の上ったり下りたりの道や山口県の鎖峠のような荒行のようなツーリングとは違い、快適に進むことができる。しかし、人間贅沢なもので、それはそれで、上り坂や下り坂のような変化にとんだコースが懐かしく感じるという予想していなかったような感覚も時々出てきた。これこそ、ないものねだりだ。いかんいかん、快適にすすめるこの道をありがたく思って進もう。右手に大山が優雅にそびえ立っている。自転車でこの山を登ってみたいという気持ちもあるが、そんなことをすれば、今日の目的地である鳥取砂丘には到底到着できないので、今回は写真だけ。
大栄町に入ったあたりで、9号線より一つ入った小さな道に入り、海のすぐ近くを進む。しかし、すぐに道がコンクリートから砂地になり、タイヤが砂に取られて、進めたものではなくなった。オフロード系のタイヤだと、多少はすすめるのかもしれないが、スリック系のタイヤでは砂の上は全然だめというのが良く分かった。すぐに、9号線に戻った。
大栄町から北条町あたりは、9号線の横に平行して農道が通っていた。9号線自体も広く作られているが、農道も結構きちんと作られていた。こちらを走ることにした。車も少なく、とても気ままな感じで進むことができる。
道もまっすぐである。島根の道は、曲がりくねった道が多いし、9号線沿いにまとまって平地があるところは、ほとんどが住宅街になっていたり、建物が建ったていたりしている。ここは、ずうっとこんな感じで平地が続いており、平地だからといって住宅地にしなくても、充分土地があるのだと思う。広い広い農地の帯が続いていた。
途中見慣れないものを栽培していたので、そこのおばちゃんに尋ねてみた。すると。「葉タバコ」という答え。
益田ではあまりみかけないが、ここでは、ずっとこの葉タバコが栽培してあった。
そうしていると、今度は、9号線と農道の間に高さににして4〜5メートル、幅は15メートルはあるであろう壁?が出てきて、ずっと、ずっと続いていた。失礼して上に上ってみると、上には草が生え、荒れ放題の道のようなものがあった。どうも、これは、政府の構造改革でストップがかかった高速道路で、建設途中で放置してあるものではないかと思う。これだけの工事にどれだけお金がかかったのかと思うと、本当に無駄なことをしたのだと思う。この造りかけの道路のすぐ横には立派な9号線が走っているのである。これだけのお金を使うのなら、土を盛らなくてもいい既存の道路の拡張でもしたほうがずっと安く、利用者に喜ばれるものができただろうと思う。工事がストップになるのは当然のように思ったが、なぜ計画の段階で無駄に気づかなかったのだろうかと思う。無駄な工事という気持ちを更に裏付けるようなものが、この後出現する。
天神川を通り、羽合町に入った。東郷池には、サイクリングロードがある。そこを通ってみたい気持ちもあったが、鳥取砂丘という目的のために我慢をして先へ進む。
そして、ついに出現。泊村のあたりで、巨大な建造物。なぜ、こんなに土地があるところにわざわざこんなものを作ったのか?なぜ、あんなに高いところに道路を作ったのか全く理解できない。
下の道を拡張する工事をした方がよっぽど安いと思うのだが・・・。それにしてもすごい。
その後、鳥取に入って初めての少々きつい坂があり、そこをもくもくと上る。
魚見台というところに出た。昔、漁師がここから海を見て魚の群れを調べたのでこういう名前がついたそうだ。ここからは、これから行く白兎海岸、鳥取砂丘が見える。上りの疲れも、こういう景色を見ると回復してくるから不思議だ。
ここから、一気に下り、海沿いの道に出る。この下りの爽快感がたまらない。そこで、コンビニを発見。弁当を購入して、海岸まで下りて食べる。
お腹も満腹になったところで、休憩もそこそこに出発する。鳥取に入って初めてのトンネル。鳥取県には本当にトンネルが少ない。島根県の感覚ではトンネルというものはたくさんあって普通のものなのだが、これだけ少ないと鳥取ではめずらしいものなのかもしれない。
トンネルを抜け、再び海岸線に出ると、そこは、因幡の白兎で有名な白兎海岸である。記念撮影をして、すぐに出発。
鳥取砂丘までの道は、上り坂、100キロ近くこいできた足には少々きつい。途中で、歩道がいきなりなくなり、自転車が通れなくなるような箇所もあった。この段差どうしろというのか?
そして、いよいよ鳥取砂丘。ついに来たぞ〜という達成感に浸りながら、早速砂丘に下りてみる。小学生の頃に来たことがあるが、そのときの記憶がよみがえってきた。あの頃と同じ風景がそこにはあった。風紋もできているし、ラクダに乗って記念撮影をするような箇所もあるし・・・、それから砂丘自体の下っていってそのあと、ぐぐっと上っているあの感じまで当時と同じだった。
足が疲れてはいるが、せっかく来たのだから、海が見える場所までは行ってみようと思い、ぐぐっと上っている砂丘を登った。海が見えた。しかし、海はそこから今度は45度以上はあろうかという急角度で下っていった先にあった。さすがに、ここは下らずに上から眺めるだけにした。
すると、そこで、模型のグライダーが海の風を受けて気持ちよく飛んでいた。海風を受けてリモコンを操作をしながら、グライダーを高く飛ばしている人たちがいた。普段はそうでもないのであるがツーリング中は、興味があるとすぐに声をかけたくなる。せっかくここまで来たのだからという気持ちが働くからだろうか?それとも旅という開放感からだろうか?その方たちと話をしてグライダーの写真を撮ってもいいかたずねたら、逆に写真を撮ってくれることになった。グライダーを手に記念撮影.。手に持ってみて意外に大きいのにびっくり。
ゆっくりしていたかったのあるが、そろそろ帰りの鉄道の時刻が気になり始めたので砂丘を後にした。砂丘のドライブインで、鳥取名物の梨のアイスクリームがあったので、購入。なかなかいい味だった。
鳥取駅まで、ちょっと分かりにくかったが、なんとか到着。大きすぎると思い輪行バックに自転車を入れるとき、前後輪をはずして入れようと試みたが、横幅が合わず、結局今までどおりの入れ方にした。そのため思ったより時間がかかってしまい、予定の電車に乗り遅れる。失敗、失敗。
気を取り直して、次の電車に乗る。この電車の作りは、輪行バックを手すりにくくりつけておけるありがたいものだった。それで、輪行バックはそこに固定して、私は普通の席に座った。バックが見えないので時々気にしながら電車に乗っていた。少しいくと、中学生の集団が乗ってきた。そして、私の輪行バックのあたりに行ったではないか、なにかいやな予感がした。しかし、まあ、大丈夫だろうと思っていたのであるが、少しして念のために、中学生の集団のあたりを見てみて。一瞬目をうたがった。なんと、その中の1人が私の輪行バックの上に座っているではないか。あわてて、注意しに行き、そこをどかせたのであるが・・それにしても信じられん。人の荷物に平気で腰をかけるのである。注意したらすぐに「すみませんでした」という反応だったので、悪気があってしたわけではなさそうだったが、それにしても常識がないというか・・・・ああ、びっくりした。
米子で乗り換えて、松江に着いた。予定よりも随分時間がかかった。松江駅で再び自転車を組み立て運動公園まで行く。幸い門の閉鎖の22時にはなっていなかったのですぐに自転車を積み、益田へと帰路についた。
今回のツーリングで山陰制覇である。次回はどこにしようかなあ?
本日の走行距離 108キロメートル。
『つぎはぎ日本一周』